Al Kooper/black coffee

Black Coffee

Black Coffee

30年ぶりにして7枚目となるアル・クーパーさんのソロアルバム。店長があんまりにも薦めるので、ジャケットも良いしなーというくらいの軽い気持ちで購入したのですが、これがまた、とても良いアルバムでした。アルさんはたぶん今年で61歳になられるんじゃないかと思いますが、センス今だ衰えず、という感じ。そして、ちょっと泣きの入った声も心地よいです。こんないい声だったっけ。
アル・クーパーと言えば、やはりボブ・ディラン「ライク・ア・ローリング・ストーン」でのオルガンプレイが有名だと思います。その後、アル・クーパーはブルース・プロジェクトというバンドに参加するのですが、このバンドの音はとても格好良くて好きなのになかなか手に入りづらく、活動期間も短い(正確な活動期間は知らないのですが、とりあえずアル・クーパーが在籍していたのは2年程度だった)ところが惜しいです。私もいまや、ブートCDの編集盤を持っているだけ。でも、オーシャン・カラー・シーンなどが好きな人はきっと気に入る音なんじゃないかと思います。
その後、アル・クーパーはブラッド・スウェット&ティアーズを結成するのですが「バンド名が血と汗と涙って…」というくだらない理由で私はほとんど聴いてません。いつかちゃんと聴く。
ともかく、その他にも、アルさんがセッション・マンとして参加した名盤は数知れず、ともかく非常にセンスに溢れた人である事は確かです。
ただ、実は私はオルガン(ハモンド・オルガン)の音があまり好きになれなくて、そのためオルガンプレイヤーとしてのアル・クーパーにはずっと興味がもてないでいました。
それなのに、このアルバムがすごくいい、と思えたのは、やっぱりアル・クーパーソング・ライティングと、その歌にあるような気がします。それから、こう言っては失礼かもしれないけど、一聴してみて、全然古くさく感じないことに驚いた。これは、アル・クーパー自身が変化したというよりは、時代がもう一度巡ってきた、ってことかもしれないな、と思います。
とりあえず、アル・クーパーを聴いたことがなくても、このジャケットに惹かれる人は気に入るのではないでしょうか。コーヒーのお供に。そんなアルバムだと思う。
ちなみに私がこのアルバムの中で一番気に入ったのは、ダン・ペンとの共作である#4「GOING,GOING,GOING」です。アルさんのファルセットと気の利いた押さえ気味のホーンセクション。それから#1「MY HANDS ARE TIED」もいいな。こちらもホーン(#4と同じくJeff Stout&Daryl Lowery)がいい味です。