だいぶ前にでてたものみたいだけど、文庫版を見つけたのでつい買ってしまった。
- 作者: 望月花梨
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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幼い頃は、自分が他人ではないということを、よくわかっていなかった。
女の子であって、男の子ではないというのがどういうことなのか、いまいちピンとこなかった。
学校での時間と一人でいるときの自分が、一続きでいられた不思議。
そしてそのふたつが分け隔てられるときの摩擦や葛藤を、望月花梨さんはまるでいまそこにあることのように、切実に描いている。
…私は思春期の女の子が気持ち悪い。
些細なことですぐつるむし怒るし泣くし
とても不安定で無気味な生き物に見えます。
「コナコナチョウチョウ」
自分が「私」であるということを知るときというのは、他人もまた「私」であることを知るということなのかもしれない。そして、そのきっかけは、たとえばこの物語の主人公がチロに出会うように、「他人」との間にある境界を、こえられない、そのもどかしさを知ることにあるんじゃないだろうか。
そうだあれはこんな感じだった、と、そんなことを思いながら読む。