Tokyo/Yuji Oniki

TOKYO

TOKYO

NY生まれの日系アメリカ人シンガーソングライター、Yuji Onikiの今年でた今のところの最新作。Mixで参加している益子樹さんをはじめ、参加アーティストが好みだったのと、ジャケットの雰囲気が気になって買ってみたのですが、イメージしていた音とはずいぶん違っていて驚いた。もうすこし、泥臭い感じを想像していたんだけど、流れてくる歌声も、音づくりもとても上品で、洗練されたアルバムだった。
特に印象に残るのは、冒頭2曲が結末に戻ってくる構成になっていること。流れるような弦の音は、まるで笹舟のようなりんとした軽やかさがあって、同じメロディラインの中にも異なる風景を描く。これを、野外フェスの、夕暮れどきに聴けたりしたら最高だろうなあ。
引きずるようなメロディラインに、かつてのネオアコ〜オルタナのイメージを重ねつつ、90年代後半の60'sリバイバルにあったストイックさを思ったりする、懐かしい雰囲気ながら、退屈なところのない良いアルバムだと思いました。
スモーキーなヴォーカルの開ける瞬間には、ぐっとにおい立つような魅力があるし、勝井祐二さんのヴァイオリンと絡み合うとまた独特な質感になる。例えばコリン・ブランストーンやエミット・ローズが今アルバムを出したら、こんな雰囲気になるんじゃないかなんて思ったりした。
HP → http://yujioniki.com/
試聴もできる→ http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendID=42767025