阿吽の文鳥

我が家の文鳥が4歳になった。
2020年の1月なかばに生まれたとのことなので、1月15日を誕生日としつつ、1月の中旬全体を誕生日週間として過ごしている。

4年前、今の家に引っ越す前から鳥を飼いたいと思っていた。だからペット可の物件を探していたし、物件が決まってすぐ、近所に評判のよい鳥専門のペットショップを見つけたときには、やはり鳥を飼う運命なんだなと思った。
ただ、2020年4月というコロナ禍の混乱の中での引っ越しだったため、当時はそのお店も休業していて、ようやく訪れることができたのは6月に入ってからのことだった。


意気込んで訪れたその店にはたくさんの鳥がいて、けれど私のように待ち構えていた人が多かったのか、置いてあるケージのほとんどに「予約済」のシールが貼られていた。
そんな中、唯一何も貼られていないケージにいてくれたのが、我が家の文鳥となるソイだった。重ねられた上のケージにいる文鳥が気になるようで、シードを盛大に食べこぼしながら、上の文鳥の動きを追っている。おっとりした印象の文鳥だった。


あれから約4年、文鳥との同居生活はある意味、阿吽の呼吸で成り立っている。

朝6時、目覚ましが鳴り、ベッドを這い出してお湯を沸かし、おはようと声をかけながらおやすみカバーを開く。
カバーを取って数秒はぼやっとしているけれど、私がお茶を入れている間に、ソイも朝の歌を歌いはじめる。
鳥は眠っている間はフンをしないようで、朝一に大きなフンをするため、その溜めフン完了を確認してからケージの扉を開く。
開いた後、両手の人差し指を互い違いに差し出してやると、右手、左手と跳んでくる。この様子が格別にかわいいので誰かに見せたいのだけど、両手が塞がっているため動画などをとることができず残念だ。

テーブルの上に出したシードを少しつまんだ後、ソファでスマホを見ている私の肩にやってきて丸くなる。たまに右肩から左肩に移動して、私があくびをしようものなら涙を飲もうと首を伸ばす。

30分ほどそんな姿勢で過ごした後、ようやくケージ内のシードや水の入れ替えを行う。
以前は入れ替え前にケージに戻していたのだけれど、最近のソイは入れ替え中もずっと肩にとまったまま、作業を見守るようになった。怖がりな文鳥なので、かつては肩に乗せたまま移動するということはなかなかできなかったのだけど、そこはこの4年間で信頼が芽生えたと言えるんじゃないだろうか。

入れ替えが完了したところで、ケージに戻す。
パラパラと、シードを食べこぼす音を聞きながら私も朝食を食べる。
出勤のため行ってきますを言うときにはちゃんとこちらの目を見てくれる*1

いつかのことを考えるのはこわいけれど、せめてこうした繰り返しと変化を、全部覚えていたいと思う。

飼い始めて1週間くらいの日記
ichinics.hatenadiary.com

*1:朝限定だけど