眠るということ/下田の海/夏

ちょっと前に下田に行ったときのこと。
下田の海はほんとうにきれいだ。砂が白いというだけで、なんでこんなにも海が輝くんだろう。遠浅の海は、泳ぎが得意じゃない人にも優しいし。日本の海で二番目くらいに好きだ。

あんまりにもきれいな海におおはしゃぎしたのもつかの間、パラソルの下で寝転んでいたら、大きくてゆったりした眠気に体が浮かび上がってしまう。それに抵抗して流れる沈み込むような血液の感じもくすぐったくて、私はすぐに降参する。あの感じこそが、幸せなんだと思う。

夜には数年ぶりの花火。花火はやる前が一番楽しくて、実際にやりはじめると、あとはやりつくすのを待っているだけのように思う。なにしろ太陽の光を浴び過ぎた日は、とにかく眠いのだ。

そして暑い眠いと言っている間に、きっと夏も終わる。ことしの夏は、ほんとうに暑くて眠かった。