年末年始日記(2)プロ野球静岡県人会イベント

12月29日

この日は、プロ野球静岡県人会(静岡出身のプロ野球選手による野球教室とトークショー)のイベントを見るために静岡へ行った。

参加選手はこちらの8選手。

毎年12月29日に開催されるこのイベントに岩崎選手が参加しているということを昨年知り、それ以来、ずっと楽しみにしていたイベント。
私は岩崎選手をはじめ、特にリリーフ投手が好きなのだけど、リリーフ推しの場合、当たり前のことですが好きな選手の登板が確約されている試合はなく、ほぼ確実に姿を見れる場はビジター球場での練習時間くらいだ。

もちろん、大事なのはチームの結果なので、それが残念ということはないのだけど、
だからこそ、こういったイベントの場は「確実に岩崎選手が見れる」「しかも(トークショーがあるので)喋っているところも見れる」というめちゃくちゃ貴重な機会なわけです。
しかも開催は静岡なので日帰りで行けるのがありがたい。
そんなわけでこの日を指折り数えて待っていたのでした。

当日は朝9時過ぎに友人と東京駅で待ち合わせ、新幹線の自由席で静岡へ向かった。
帰省ラッシュのシーズンに新幹線に乗るなんて小学生の時ぶりとかなので、まったく勝手がわからなかったのだけど、20分前くらいに並んでちゃんと座っていくことができた。

静岡駅で腹ごしらえをした後、タクシーで草薙球場へ。
乗った途端、道の先に富士山が見え一気に旅気分になる。

運転手さんに「野球のイベントですか?」と聞かれたので、静岡出身のプロ野球選手が集まってイベントがあるんですよという話をする。
岩崎選手のことを知らなかったようなので清水東出身なんですよという話をしてみるも、運転手さんが興味のある静岡出身の選手は紅林選手(オリックス)とのことだった。
ちなみにその時、私は栗林選手(広島)と聞き間違えて相槌を打っていたのだけど、友達があとから紅林だよと教えてくれた。
(岩崎選手から鈴木選手へのリクエストもあったそうなので、来年は紅林選手も参加してくれるといいですね*1


イベントは子ども向けの野球教室+トークショー
静岡は暖かいと聞いていたので、年の瀬ながら半袖+カーディガン+ダウンという体温調節可能な服装で向かったところ、屋外のイベントながら日が陰るまでダウンを脱いだ状態でも少し暑いくらいだった。

野球選手を応援していて楽しい理由の一つは「野球が好きなんだな」と感じる瞬間が多いことにある。
今日の野球教室を見ていても、選手は子どもたちに「かつてプロの選手と触れ合ったかつての自分」を重ねているのだろうなと感じる瞬間がいくつかあって、
プロとして、そうやって連綿と続く文化の一端を担うことは、きっと自然なことなのだろうと想像する。

トークショーも子どもたちからの質問で進んでいくため、終始和やかだった。
試合の時はポーカーフェイスと評されることの多い岩崎選手も、子どもを前にすると終始にこやかで、スタンドにいるこちらも、好きな選手のそのような姿を数時間見続けられるということで嬉しい、という幸せなイベントだった。

帰りは電車を乗り継いで熱海まででた後、踊り子号にのって東京へ。
静岡県、いいところでした。来年の静岡県人会が既に楽しみです。


当日の様子

年末年始日記(1)仕事納めとアンテナショップ

2023年は、野球のおかげで全体的な印象としては楽しかったものの、会社にいろいろと思うところがありまくり気が重いこともたくさんあった1年だった気がします。
そういう悩みとか、もうちょっと日記に書いてもいい気がするんですけど、不安だったり心配だったりをテキストにしてしまうと「定着」してしまいそうで怖いというのは長年日記をかいてきた体感としてあって、やはりこの日記は自分にとっては脳内整理の作業なんだろうなと思う。

とはいえ、すでに定着した部分までは書いてもいいかなと思ったので、(?)悩みの話もある年末年始の記録その1です。

12月27日

仕事納め。
今年はかなり前倒しで仕事をしていたのと、年の瀬でメールの返事なども途絶えていることなどから、特に焦ることもなく来年の仕事などをして午前中を過ごす。

ランチは同じ班の若手(入社3年以内の3人)と外に食べに行った。
普段は皆弁当なので外に食べに行くのはめずらしいことだ。
部署内の今後についていろいろ思うところがあり、年末に部長と相談の上、彼らのチームリーダー的なことをやることになったのだけど、ランチに誘ったのは、その件について改めて話しておくためだった。

自分が所属している班は、コロナ禍直前に課長が退職して以降、直属の管理職がいない状態でここまできてしまった。一応、部長が直接管理という体にはなっているのだけど、特に今年は部長に仕事が集中しすぎており、管理、してないですよね…? という状態になっていた。
その3人が優秀で飲み込みが早いがゆえに、仕事はなんとか回っているのだけど、問題がない=リアクションが皆無になっていき、問題がある時だけ声をかけられ指導はされない、という状態に、3人のモチベーションが低下していくのが手に取るように伝わってきていた。
このままいったらすぐに回らなくなるのは目に見えているので、各所相談の上、せめてその3人が新たに取り掛かるプロジェクトについては自分を管理者に入れてくださいということをお願いしてみる流れになり、今はそれにOKがでた、というところだ。

ただ、私は管理職ではないし、そういった手当がつくわけでもない。そしてこういうムーブが全く評価にはつながらない会社だというのもわかってるため、自分のモチベーションは何で保とうかなというところでもある。
だから本当は転職の方を頑張った方が良いんだと思うんだけど、自分にも外部の方から声をかけてもらった(ありがたい話です)やりかけの仕事があるし、3人は本当に優秀だし、今回のチーム編成でこの班に入ったからにはやっておきたい(であろう)仕事を私が教えることはできると思うので、
ランチではとりあえず、皆の不安を共有してもらって、来年は皆で解決策を考えていこうねと話す。

でも本当にこれでいいんでしょうかね。私は基本的には、尊敬できる人の元で働きたいタイプなので、今の状況のことを考えると本当にしんどい。
なので他の道も考えつつ、少しでもいい方向に向かえるようやっていこうと思います…。

午後は大掃除をして、成り行きで解散。
早めに帰れて嬉しいはずが、うっかり電車を乗り過ごしてしまった。


12月28日

年末恒例、友人とのアンテナショップめぐりの日、と同時に、ここ数年はM1の感想を話す日にもなっている。
私は映像配信サービスが充実しだした頃からめっきりテレビに疎くなってしまったのだけど「自分が何に笑うのか」をもうちょっと言語化できるようになりたい、という思いがずっとあって、
なので、いわゆるお笑いの「賞レース」的なものがある度に、お笑いが好きな友人と感想のすり合わせをするのを楽しみにしている。

この日に備えて、M1に関連した特番(ネクストデイと、反省会)を見て、博多大吉さんのラジオとマユリカの振り返りラジオを聴いた状態でのぞんだのだけど、どれが一番面白かったとか、それぞれに対する印象とか、存分に話すことができて大満足だった。
そのほかにも、会社の悩みを聞いてもらったり、日プの感想を話したり、すごい勢いで話があっちこっち飛びながら、存分に買い物をしました。

アンテナショップで買ったものは大体こんな感じ

  • 福井:あんぽ柿の干し柿(実家への差し入れ)、うさぎやもちパイ*1
  • 三重:みなみ製麺伊勢うどん*2、シェル・レーヌのロンド・カシュカシュ5個入り(お年賀用)*3、牡蠣のアヒージョ、ひりょうず
  • 香川・愛媛:とろろ昆布、焼き海苔

なにか阪神グッズがあるかな〜と思い交通会館の大阪ショップに行ったのだけど、いつの間にかゴディバのパン屋さんになっていた。

2023年の阪神タイガースを振り返る回

2023年は自分にとって、はじめて応援するチームのある状態でプロ野球観戦を楽しんだ1年でした*1
それどころか好きなチームがリーグ優勝をして、CSも勝って、日本一にもなって、一番好きな選手がセーブ王にもなった。
この年に間に合ったことについて「運がいいね」とたくさん言ってもらったし、自分でも本当にそう思います。(ありがとうございます!)

つきましては、この初心をできるだけ記録しておきたい、ということで、今年の試合で印象に残った場面振り返りをやりたいと思います。
先日、阪神ファンの友人と「今年の阪神振り返り会」をやったのですが、それに合わせて作成した「印象に残った今年の場面ベスト10」リストをもとに、時系列に15試合分(増えた)、書いていきます。


3月31日 京セラドーム/阪神vs横浜

自分が阪神ファンになったきっかけは、昨年のシーズン序盤に連敗していた阪神が、終盤になってクライマックスシリーズ進出を争っていたこと、その様子を自分の退院直後というタイミングで見て、すごくぐっときたことにあった気がします。*2

なので2023年は開幕戦から阪神戦を見ておりました。

3点リードで迎えた9回の表。今季初守護神に抜擢された湯浅投手が四球、四球、1アウト、四球で満塁という1発逆転の場面。マウンドに皆が集まったところで湯浅選手も笑顔を見せ、2アウトをとって記念すべき初セーブを決めた、という試合です。
要するにめちゃくちゃハラハラした試合なんですけど、これでもう阪神から目が離せなくなった気がします。


5月3日 甲子園/阪神vs中日

先発した西勇輝投手が6点を先制され、2回で降板したというピンチの試合。

一時はどうなることかと思いましたが、

  • 2回の裏でしっかり2点返し、その後も着実に点を積み重ねていった
  • 冨田ビーズリ石井岩貞ケラーというリリーフ陣の層の厚さを感じさせる継投があった
  • 中日が1点リードの9回、抑えのライデル・マルティネス投手がでてくるという正直かなり厳しい回に、4番、5番で1点を返し、代打原口選手のヒットで出塁、梅野捕手が四球を選んで満塁となったところで木浪選手のサヨナラ打が飛び出すという土俵際の強さ

などのポイントで、今年の阪神を象徴するような試合だった気がします。
しかも木浪選手にとってはこの日が初サヨナラだったんですよね。開幕スタメンではなかった木浪選手の「ここぞ」という場での活躍、今年はたくさん見れましたね…。
自分にとっては今年初めて記念にと翌日のスポーツ新聞を買った試合です。


5月24日 神宮球場/ヤクルトvs阪神

逆転、逆転からの逆転という見てる方にとっては楽しい試合だったのですが、この日を選んだのは7回裏に登板した西純矢投手が2つ四球を出した後に交代となり、ベンチで泣いていたことがめちゃくちゃ印象に残っているからです。
野球選手って、ベンチで泣くんだ!? というのがかなり衝撃だったのと、
西純矢投手はこの後、7月17日の甲子園では先発からの自援護を決めてヒーローインタビュー、8月1日にもバンテリンドームで自援護を決めるんですけども、出塁した時の嬉しそうなダブルピースでベンチにアピールする様子とのギャップに、なんかこう、応援したくなってしまったので、そのきっかけの試合でもありました。

さらにこの試合は今シーズン大活躍した島本投手に4年ぶりの勝ち星が灯った試合。
チームの勝利となった段階では西純矢投手も満面の笑みでした。喜怒哀楽が素直すぎる。
ちなみに岡田監督からは5月20日の段階で「問題児」と呼ばれています*3

7月17日の大活躍はこちら
youtu.be


5月27日 甲子園/阪神vs巨人

今年、現役ドラフトで阪神に移籍してきた大竹投手の、涙のキャリアハイ、6勝目の試合です。
7回まで無失点に抑えていた大竹投手の好投に応えるかのように7回裏、坂本捕手が四球出塁、木浪選手の送りバント、そして大竹投手の代打で渡邉諒選手の四球、からの1番近本選手、2番中野選手のタイムリーで大竹投手に勝ち星が灯った瞬間、ベンチで泣いている大竹さんの姿が映り、おそらく見ていた阪神ファンが皆、大竹投手に心を鷲掴みにされてしまったという試合でした。
この涙について、当日のヒーローインタビューで大竹投手はこう語っています。

「1人はみんなのために。みんなは1人のために。そういうチームプレーを感じたので、思わず出ました」
【阪神】大竹耕太郎がベンチで号泣の理由を告白「また泣きたい」キャリアハイ6勝目 - プロ野球 : 日刊スポーツ

いやー阪神タイガース、いいチームですね…。


6月3日 甲子園/阪神vsロッテ

今年の阪神を象徴する出来事の一つが、中野選手の二塁手転向でしょう。それによって内野は1塁大山、2塁中野、3塁佐藤というのがほぼ固定のポジションとなりました。
そんな中、内野で唯一、ほぼ固定だけれども流動的であったポジションがショートで、ここを争っていたのが木浪選手と小幡選手でした。

開幕戦のショートは小幡選手でした。けれどその後、木浪選手は与えられたチャンスをものにし、「(これだけ活躍していたら)外せない」という選手になっていきます。先ほども書いた5月3日の初サヨナラはその象徴的な場面でもありました。
でも小幡選手も負けてないんですよね。
木浪選手の初サヨナラからちょうどひと月後のこの日、9回裏、木浪選手のヒット出塁からの投手代打で小幡選手が打席へ。木浪選手には代走が出て交代となりました。
そして同点のまま11回までもつれ込んだ試合は、小幡選手の初のサヨナラヒットで勝利となったのでした。
お互いに与えられたチャンスをものにしていく、このライバル関係の相乗効果が、今年の阪神の見どころでもあったと思っています。


6月4日 甲子園/阪神vsロッテ戦

2023年を才木投手の成長譚として見た時、中心に描かれるのはきっとこの「才木浩人投手vs佐々木朗希投手」戦でしょう。
事前の予想通りに0が並べられていく試合の中、ベンチ一丸となって先に風穴を開けたのが阪神でした。普段やらない円陣をすることで、相手ベンチに揺さぶりをかけたという逸話は、映画*4でも触れられていましたね。
その後、7回で佐々木投手は降板、才木投手は最後まで投げきり、今季初完封となった試合です。

遡って3月6日、WBC日本代表vs阪神の試合に先発した才木投手は、大谷投手の片膝をついての3ランホームランを被弾、この時の悔しさについては今年、幾度もいろんな場所で語っていました。
そういう悔しさを忘れずに抱え続けてきからこそ、この日の完封勝利はきっと自信になっただろうなと想像します。

後述しますが、才木投手はリーグ優勝を決める日にも先発し7回1失点。「力み倒すだろうな」という監督のコメント*5もあった中、その予想を裏切ってみせました。

さらに日本シリーズでの、熱投も記憶に新しく、来年についても「取れるタイトルは全部取りに行きたい」*6と語っているので、今から活躍がとても楽しみです。


7月24日 神宮球場/ヤクルトvs阪神

今の阪神で、近本選手ほど「きっとなんとかしてくれる」という期待を背負っている選手はいないんじゃないでしょうか。それを象徴しているのが今年の得点圏打率1位(.374)という成績と、それに伴う「得点圏の鬼」という異名だと思います。

だからこそ、7月2日の巨人戦で近本選手が右脇腹に死球を受け、骨折という報道が出た時、私はかなり絶望的な気持ちになりました。きっと多くのファンがそうだったんじゃないでしょうか。
私自身は骨折した経験がないんですけど、骨折って普通何ヶ月もギプスをはめて治療をするイメージで、だからもう今季は出れないのかな……なんて思ったりもしました。

しかしそんな不安をよそに、わずか20日後、23日のヤクルト戦で近本選手はスタメン復帰しました。
そしてこの24日の7回、ヤクルト長岡選手の伸びていく打球を、大ジャンプキャッチして球場を沸かせ、再び「近本がいるなら大丈夫」と思わせてくれたのでした。

「『ライトや、ライトフライや』と思ったけど、こっちに来てたんで。ジャンプしたら入ったっす」
【阪神】骨折復帰の近本光司、首位守った超美技 一瞬「やべー」も「ジャンプしたら入ったっす」 - プロ野球 : 日刊スポーツ

近本選手はインタビューの受け答えも独特で面白いです。


7月25日 甲子園/阪神vs巨人

この日は、7月18日に亡くなられた、元阪神の横田慎太郎さんの追悼試合でした。
自分は残念ながら横田選手の現役時代を見れていないのですが、特に好きな岩崎投手の同期の選手であったことをきっかけに、病気で引退されたということは事前に知っていたため、突然の訃報に驚きました。長年のファンの方の惜しむ声を見ていても、本当に愛された選手だったのだと思います。

訃報の後、ようやく甲子園に戻ったこの日、横田さんの追悼試合が行われました。
5回で勝ち越されるも6回で逆転、そこからはドラフト同期で引退試合にも立ち会っていた加治屋投手、そして同期入団の岩貞投手、岩崎投手という思いのこもった継投で勝利した試合でした。

感動的な試合であったことはもちろん、岡田監督はそういった、選手たちの思いを汲んだ采配をする人なんだということも印象に残った試合でした。


8月6日 横浜スタジアム/横浜vs阪神

この日、1点リードで迎えた7回、1アウト2、3塁のピンチを迎えたところで、マウンドに呼ばれたのが島本投手でした。持ち前の強気なピッチングで内側を攻め、ショートフライで2アウト。続く関根選手の打席でも三振をとり見事な火消しを務めました。

この日の試合後インタビューで監督は「島本さまさまよ」*7と語り、この言葉はファンの間でミーム化していきましたが、日本一となった今シーズンを通して、その評価が揺らぐことはありませんでした。

遡って7月30日、ヒーローインタビューの場で島本投手は「みなさんに信頼されるように頑張ります」と言っていました。すでに数々の場面でピンチを救ってきた島本投手だからこそ、ファンの多くは「もうすでに信頼しているのに」と思ったかもしれません。
そして8月6日の「島本さまさまよ」を挟み、8月23日。京セラドームでまたしても見事な火消しを披露しヒーローとなった島本投手は「(捕手の)坂本さんに信用していますと言われました」*8と語り、岡田監督も「島本が本当に頑張った」と絶賛しました。

私は野球選手の中でも特にリリーフ投手というポジションが好きなんですけども、やはりこの、置かれたポイントで期待に応えるということ、それによって勝ち取った信頼が、またその選手の力になっていく様子に魅力を感じるのだと思います。

この8月6日のヒーローインタビューは公式youtubeの舞台裏映像がアップされているのですが、周囲の人たちも島本さんがの活躍を嬉しそうに見守り、ヒーローインタビューの場へと送り出しているのが印象的で、今年の阪神公式動画のベストを選ぶならこれです。
www.youtube.com



8月18日 横浜スタジアム/横浜vs阪神

1点差の9回、代走に出た熊谷選手が2塁へ進もうとした際に、ショートの京田選手の守備がベースを塞いでしまっているのではないかということで物議を醸し、その時の進塁はアウトとなったのですが、そのことに岡田監督が猛抗議したことで話題になった試合でした。
この日、私は3塁側の内野席にいたので、抗議の様子もよく見えたのですが、その監督の様子を選手が皆、じっと見ていたこともとても印象的でした。
何というか、上司が率先して本気の態度を示してくれること、今自分が仕事で一番求めているものがそれだったので、心の弱いところにぐっときてしまいました。

ただ、自分が帰った後に球場ではいろいろとトラブルがあったそうで(阪神ファンがグラウンドにゴミを投げ込んだ等)そういったことについて、インターネットでチームにの悪口を書かれていることにも凹んだ日でした。
好きなチームができると、こんなに気持ちを揺さぶられるんだ、と思った試合。

→後にルール変更にもつながりました。
阪神・岡田監督が球界動かした!「ブロッキングベース」5日から適用― スポニチ Sponichi Annex 野球


8月29日 甲子園/阪神vs横浜

大きく勝ち越した長期ロード明けの甲子園1戦目。
2-0でリードしたまま迎えた9回の表、マウンドにあがった岩崎投手が佐野選手、牧選手に2打席連続ホームランを浴び、優勝マジックが消滅しました。

その日、ロード期間中の連勝ムードの余韻を引きずっていた自分は、昨年の交流戦でもらった横浜のTシャツ(部屋着)を着て試合を見ていました。だからこそ(もちろん関係ないのは完全に理解したうえで)自分の慢心にショックを受けた試合として印象に残っています。
8月頭の巨人戦のあたりで、監督は「(ブルペン陣に)だいぶ負担をかけている」と語っていましたし、疲労のピークともいえる頃だったのかもしれません。
なので、この試合は負けたことがショックというよりも、自分の慢心がショックな日として記憶に残っています。自分の慢心がチームの勝利に関係ないことは本当にわかっているので安心してください。
ちなみにその後、そのTシャツは1回も着ていません。


9月14日 甲子園/阪神vs巨人

リーグ優勝を決めた日。
この日の観戦日記は別途書いています。

「その日」の記録 - イチニクス遊覧日記

この日の9回、岩崎選手がソロホームランを被弾した場面で、8月29日のことが頭をよぎりました。
けれど8月29日のことを引きずるような選手でもないし、チームでもないし、そもそも「ある」としたらソロなので、と、この日はそれほど焦らずに大丈夫だと思って見ていたような気がします。
ただし一応、部屋着には注意しました。

大山さんの涙についてのこの記事もよかった。
www.nikkansports.com


10月1日 マツダスタジアム/広島vs阪神

3点差で迎えた3回の裏、マウンドにあがった岩崎選手は1点差まで詰め寄られたものの、最後は1番小園選手を空振り三振に抑えて3アウト。
キャリアハイの35セーブ目をあげ、今年の「最多セーブ賞」が確定した試合です。

ドキュメンタリー本を読み「クローザーってかっこいいな」と思って野球に興味を持った自分が、最初に好きになった現役の、抑えの選手が岩崎選手でした。
2022年も2023年も、開幕から守護神というわけではありませんでしたが、チームが困ったときに、頼れるのが岩崎選手ということなので、それも守護神の形だよなと思っています。

9回は点を取られたって勝てばいいんだと、NPB史上最多セーブの記録を持つ岩瀬さんも言っていました。9/14の9回も、10/1の9回も、岩崎投手らしい、不敵なセーブでした。


10月20日 甲子園/阪神vs広島(クライマックスシリーズ

8月に梅野選手が死球によって左手首を骨折して以降、ほぼフル出場と言ってもいい勢いで捕手を務めてきた坂本選手が、日本一を決めた後のインタビューで「一番緊張した」と言っていたのがクライマックスシリーズでした。

その第2戦目、1-1で迎えた9回、大山選手の出塁、ノイジー選手への申告敬遠、そして坂本選手が四球を選んで2アウト満塁となった場面。今シーズン中は特に寡黙なイメージだった坂本選手が、次に打席に入る木浪選手を指差し雄叫びを上げました。
そして、その期待に見事応えた木浪選手のサヨナラ打によって日本シリーズ進出へ王手をかけるという、熱すぎる展開が最高な試合でした。

「恐怖の8番」という異名がすっかり定着するほど、勝負所に強い選手となった木浪選手の「明日決まりますけど」という強気なヒーローインタビューも良かったです。(実際翌日に日本シリーズ進出が決まり、木浪選手はCSのMVPに選ばれました)


11月1日 甲子園/阪神vsオリックス日本シリーズ

日本シリーズはどの試合も面白かったのですが、1試合を挙げるならやはり岡田監督の采配が印象的だった4戦目だと思います。
才木投手の好投もありながら、チャンスを逃す展開が続き7回、サードファンブルも絡んで同点となったところで、すぐさまサードをムードメーカーの糸原選手に交代。

さらに8回表、石井投手、島本投手と継投し2アウト2、3塁、均衡していた流れがオリックスに傾きかけたところで、なんと6月15日以来の1軍登板となる湯浅投手を登場させます。

湯浅投手は、なんというかめでたい雰囲気のある選手で、登場すると場がパッと明るくなるような魅力があると思っています。もちろん、ファンの期待も高い選手で、球場の空気もガラリと代わったのが画面越しにも伝わってきました。
こういった流れを変える力への期待、そして今年、けがが重なってしまった湯浅投手の「来年」につなげるための采配でもあったのだと思います。

日本シリーズについては別途書いています。
日本シリーズのあった1週間(前編) - イチニクス遊覧日記
日本シリーズのあった1週間(後編) - イチニクス遊覧日記



以上、15試合でした!

***

野球を好きになって早々に、年間143試合とインタビュー、取材記事、球団公式youtubeSNSなど、公式に提供される情報だけでも、すべてを追い、すべてを記録するなんてことはできないなと悟りました。

だからせめて、自分がこの年のどんなことに感動したのかだけでも、ちゃんと覚えておきたいなと思っています。

今のところ、自分にとっての野球は、切り口や、視点によって見え方の変わる「大河ドラマ」で、この感想もその1視点にすぎません。
来年からは、この経験をもとに、きっとまた違った見方ができそうなのが楽しみです。

2023年の映画ベスト10

野球にはまリ、週6で試合を見ていた2023年は、可処分時間が激減し、ついに長年契約し続けていたNetflixも解約するなどしました。
そのせいでドラマ系はほとんど見れなかったのですが、それでも映画は映画館という、他に誘惑のない状態で見るものなので、なんだかんだ見た本数は例年と比較してそれほど減っていませんでした。

そして今年は、近年稀に見る、自分好みの作品が豊作な1年だったようにも思います。
先日、毎年恒例の、友人たちとのベスト10発表会をしてきたのですが、比較的見ている映画が被っている3人なのに3人ともあげた映画は2作だけだったというのも、その豊作ぶりの表れだったようにも思います。

というわけで今年の私のベスト10!

10位「君たちはどう生きるか


事前宣伝がほとんどないことで話題になっていたジブリ最新作。
小学生の頃「君たちはどう生きるか」で読書感想文を書いたことがあるな〜くらいの心構えで見に行ったのですが、冒頭から、宮崎駿ってこんな表現もするんだという衝撃があり、そのままのめり込んで見ました。
見終わった後も特にインタビューなどは読んでおらず、周辺情報は知らないままなのだけど、個人的には、宮崎駿の創作の原点というか、原体験として抱えてきたものを垣間見るような物語だったように感じた。

9位「フェイブルマンズ」


そしてこちらはスティーヴン・スピルバーグの原点映画。
スピルバーグがどのようにして映画を撮るようになったかという話なのだけど、天才の業というか視線の容赦なさというか、このように観察され、あばかれてしまう家族はどのような思いなんだろう……ということも気になった。それでも作るものは圧倒的なんですよね。
そういう意味で「作るべくして作る人」の映画という意味で「君たちはどう生きるか」とも通じるように感じました。

8位「ウーマントーキング」


メノナイトというキリスト教系一派の集落で起こった実際の事件をもとにした映画。
事件は非常に陰鬱なものなのだけど、映画は事件自体を描くのではなく、教育を奪われて生活してきた女性たちが事件への対応について話し合い、少しでも良い方向に進むための一歩を踏み出す映画になっているのがいいなと思いました。
信仰を否定するのでもなく、善くあるための行動をを探っていく形なのも納得感がある。
なにより、「教育」の希望を改めて感じる映画で、自分も大きくわければ教育系の仕事をしているので、折に触れて思い出すことの多い映画になった。

7位「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」


正直、映画として歪に感じる部分もあるんだけど、いろんなハードルを越えていった作品であること、そして、そういった態度が作品の「自分達が面白いと思えるものを作ろう」と突っ走っていく力強さにも現れていたような気がしてとても好きでした。
https://ichinics.hatenadiary.com/entry/2023/03/18/224725
この後、キーホイクァンは「ロキs2」にも出てましたね。そちらもとてもよかったです。

6位「ダンジョンズ&ドラゴンズ


まだ「レンタルビデオ店」でビデオを借りてくるという娯楽があった子ども時代、兄弟間で大人気で何度も繰り返し見た映画のひとつが「ジュマンジ」でした。
ダンジョンズ&ドラゴンズ」は初めてジュマンジを見た時の楽しさを思い出すというか、みたキッズがその後何年もにわたって擦り続けるであろうキリングパートがめちゃくちゃある映画だったなと思います。
と同時に昨年末から「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のゲームに誘っていただいて遊んだりもしていたので、自分が旅してる世界と地続きの空気感を感じられたのも嬉しかった。あの呪文こないだ覚えたけどこうやって使うんだとかね、そういう感じで。
ゲームやってる人も、やってない人も楽しめる、めちゃくちゃ強度のあるエンタメ作でした。

5位「エゴイスト」


見たのは2月なんだけど、その後折に触れて思い出す映画だった。
映画には主人公をとりまく恋愛や家族や友人など、いろんな関係がでてくるんだけど、そのそれぞれが言葉では語られない、広大な余白を背負っていて、でも実際に接する「人」ってそうなんだよなということを思った。
一人で歩く時に、とにかく顎をあげる、背筋を伸ばす、メイクをする。そういった主人公の姿を思い出すたびに少し泣きそうになる。浩輔のことは、どこで知り合ったのか忘れても、きっとずっと覚えている。
joshi-spa.jp


4位「首」


戦というもののくだらなさ、(この話を描く上で)キャストはほぼ男性だけでいいだろうという判断、そしてこのキャストを集めることができる監督の求心力、尊敬される存在でいるということの重み…みたいなことを考えた映画だった。めちゃくちゃ面白かったし、美しいところは美しい、醜悪でいて魅力的、というバランスもよかった。これまでいくつかの「信長」話にはまってきましたが、この信長は格別だったな。
あと監督の求心力という意味でまた野球のこと考えながら見てました…。

3位「エンパイア・オブ・ライト」


社会に余裕がなくなったときに取りこぼされてしまいがちな、困難を抱えて生きる人や困難の渦中にある人が社会の中でどう救われるかということについて色々考えた映画だった。
個人的には、恋愛関係じゃなくても寄り添うことはできるし、フルコミットしなくても支えることはできる、取り残されているようでも、気にかけている人はいるという、希望の話だなと思いました。
そして終盤にでてくる「映画とは1秒間に24フレームの静止画の明滅によって暗闇を消し去るものだ」(大意)というセリフが、まさしく”映画”の寄り添い方を言い表す言葉に思えてとても印象に残った。

2位「ブルージャイアント」


ブルージャイアントは原作も読んでいて、その上での「よかった」なんですけど、とにかくあの原作を、1本の映画にするときにこういう世界線で描くのかっていうのが「映画化」にできることのような気がして感動しました。原作のSUPREMEから脚本を担当している人が映画の脚本もやっていて、「ピアノマン」というスピンオフ小説も出しているのでそれも読んだ。
正直演奏シーンの映像はもうちょっと…と思わなくもないけど音楽の方にお金をかけた判断は大正解だと思います。そうじゃなきゃブルージャイアントの映画化じゃないもんね。

ニュース!オモコロウォッチ!042「便でもクソでも世界一だと思って吹いてる」 | オモコロ

オモコロウォッチのブルージャイアント話も面白かったので((従来の特集テーマではないために)不評だったらしいですが笑)見た方はぜひ

1位「アフターサン」


一緒に暮らしてはいなかった父との旅行の記録を、当時撮った映像で、かつての父と同じ年になった娘が振り返っている……という構図の物語。
映画を観る前は、どちらかと言えば娘寄りの気持ちになるのかなと思っていた予想ははずれて、完全に父親であるカラム寄りの気持ちで見た。娘のいる父親になったことないのに、カラムの気持ちがわかる気がしてしまうのは、きっと自分も、おそらくカラムがそう感じているように、ちゃんとした大人になれてないとどこかで思っているからかもしれない。
音楽の使い方が自分の世代ど真ん中だったこと、自分もかつてビデオカメラを持ち歩いてた時代があること、などからもすごく親近感のわく映画だった。
happinet-phantom.com



以上です。

友人たちとのベスト10発表会やっていて思うのは、映画の感想を話し合うのって、同じ物語を通して「自分は」どこがぐっときたのかという話だから面白いんだよなということです。
今年のランキングでいえば「エンパイア・オブ・ライト」と「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を全員が挙げていたのだけど、その共通作でもやっぱり、印象に残ってるポイントはそれぞれなんですよね。
なので、同じ映画を見た人の感想をたくさん読めたりする、このシーズンの色んな方の「まとめ」もかなり楽しみにしています。



昨年のベストはこちら
ichinics.hatenadiary.com

オフシーズンのはじまり

オフシーズンに入ったら生活に余裕が出るかと思っていたのに、気がついたら12月になっていました。
今年のまとめ的なものも書きたいけれど、ひとまずは11月〜12月頭の日記を書いておこうと思います。

11月10日/通院日

3か月に一度の通院日。
気になる症状はありますか、と聞かれ、まあいくつかの、今飲んでる薬にはつきものと言われている副作用(今は主に関節痛)について話すも、まあ我慢できるのであれば服薬続けた方がいいからね、ですよね、ということでいつも通りの処方をしてもらう。
今年の前半頼りきりだった漢方は、飲まなくてもまあまあやれるようになってきたので前回から止めてもらっている。長期で飲むことは推奨されていない漢方だったので停止できて少しほっとした。
でもやっぱ無理となったら無理せずにまた飲もう。

病院のあとは、友人と立川で待ち合わせをしてご飯。
ずっと行ってみたかったお店にようやく行けて嬉しい。
5日に日本シリーズを終えたばかりというタイミングもあって、野球の話をたくさん聞いてもらった。

11月11日/上野でご飯

午前中に髪を切りに行った後、久しぶりの友人夫妻と飲み。
知り合ったのは学生時代だったのだけど、友人が元野球部でしかも阪神ファンだというのを知ったのは今年の夏だった。たまたまLINEをしていて、たまたま最近は野球みてるよみたいな話になって知ったのだけど、長い付き合いでも新しく知ることってあるんだな。
それ以降、試合があるたびによくLINEをしていて、シーズン終わったら飲もうと言いあい、この日がようやくの再会だった。
野球を好きになって思うのが、本当に応援の形って千差万別だなということなんだけど、この夫妻も自宅観戦派(夫:阪神ファン)と外野応援派(妻:巨人ファン)にわかれており、それぞれの優先順位がまったく違うのも面白かった。
私からは、野球にはまったきっかけとして「嫌われた監督」の話をするも、2人ともそんな本が出てることすら今知った、という感じで、どうやら野球ファンが全員あの本を読んでるわけではないんだな? ということに今更気づく。
6時間くらい喋り倒した後、シーズン始まったら一緒にドーム行こうねと言って別れた。

11月17日/今年最後の野球観戦

「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の韓国vs日本を見に行った日。

日本代表の試合を現地で見るのは初めてだったのだけど、応援席にはNPBの各チームのユニが入り乱れており、眼下に見える外野席の応援団も、おそらく各チームからの合同応援団で、選手ごとのヒッティングマーチに合わせて、たとえば広島だったら広島のスクワット応援などもやっているのが見応えあって面白かった。


日ハムの万波選手のソロホームランが出たので、最近日ハムファンの母親にメールをすると、ちょうどテレビでみていたとのことで盛り上がった。
試合は韓国1対2日本で勝利。個人的には西武の隅田選手の好投が印象に残る。
試合後は、友人と近場でちょっとだけ飲む。
シーズン中、東京ドームの観戦後は近場で入れる店を探すのが大変だったのだけど、この日はめちゃくちゃ近場で飲めたので、来シーズンも活用したいと思いました。
球場周辺の、試合あとでも入りやすいサッと飲めるいい感じのお店情報、募集しています。

11月24日/セリーグ飲み

インターネットの野球好きな友人たちと、漫画「野球場でいただきます」にも登場した野球居酒屋として有名な「あぶさん」というお店で飲んだ日。
入ってすぐに、確かお店の方にどのチームが好きかを聞かれて、阪神と答えたら知らないおじさんにまでおめでとうと言われる優しい世界だった。
一緒に飲んだ友人も、それそれ応援している球団は違うし、見るスタンスも違う中で、ほぼ野球の話だけでこんなにあっという間に時間が溶けるとは思わなかった。そりゃかつてのSNSとかない時代のサラリーマンは野球の話ばっかりするわと(想像ですけど)思いました。
来年は一緒に球場行ってそのまま飲んだりできたらいいな。
やはり球場周辺の飲み屋情報が必要…ってところで、友だちが隣の席のおじさんから神宮周辺の良いお店情報を聞き出してくれていて最高だった。

12月2日/生後2か月

ひと月ぶりに妹の家に行った日。
産まれて約2か月の赤ちゃんはまたぐっと重くなり、よく泣くようになっていて頼もしい。
同時に妹の手際もよくなっていてさすがだった。

入れ替わり立ち替わりで抱っこしつつ、買っていったキンパを食べ、赤ちゃんが寝た隙に妹のリクエストで2人でマダミスをやった。赤ちゃんの横で殺人事件云々の話をするのはなかなか背徳感があった。
前回同様、別れ際に写真をとる。
友人が「お母さんと赤ちゃんの2ショットってなかなかないのでたくさん撮ってあげて」とアドバイスしてくれたので、必ず2ショットは撮るという目標ができた。
ひと月ごとにとって、一年後くらいに2ショットまとめたものをプレゼントできたらいいなと思っている。