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 「いまさら翼といわれても」/米澤穂信

6年5か月ぶりの〈古典部〉シリーズ新作。 そもそも私はアニメ「氷菓」がきっかけで米澤穂信さんの作品に興味を持ち、アニメを見終わってから氷菓の原作である〈古典部〉シリーズと、同じく高校生が主人公の〈小市民〉シリーズを読んで夢中になったので、つま…

 ハヅキさんのこと/川上弘美

ずっと前、吉祥寺のジュンク堂で柴田元幸さんの選書フェアをやっていて、そこに並んでいたのを見て買った短編集。 川上弘美さんの文章はとても好きなのだけど、読みたいタイミングに読みたい作家さんの一人で、つまり長らく積んでいて、先日ようやくしっくり…

火星の人/オデッセイ

映画「オデッセイ」の宣伝がはじまった頃、たぶんtwitterのTLでその原作が「火星の人/The Martian」というタイトルの小説であると知り、そのシンプルなタイトルと、どちらかといえば感動大作のような雰囲気に見えた映画の予告とのギャップが気になって、ま…

 何者/朝井リョウ

朝井リョウさんの作品は「武道館」を読んだことがあるだけだったのだけど*1、「何者」は特におすすめしてもらうことが多く、ちょうど文庫が出ていたので読みました。 そして読んですぐ、出てる本全部読もう、と思いました。そのくらいインパクトがあった。何…

 あなたを選んでくれるもの/ミランダ・ジュライ

あなたを選んでくれるもの (新潮クレスト・ブックス)作者: ミランダジュライ,Miranda July,岸本佐知子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る「君とボクの虹色の世界」公開後、2作目の脚本執筆中にミ…

 この世にたやすい仕事はない

今の仕事をしていない自分のことを考える。 よく思い浮かべるのは、薄いグレーの制服を着て、非常階段で休憩しているとか、晴れの日は屋上で弁当を食べるとか、椅子がギイギイ音がすることが悩みだとか、そんな仕事内容とは関係のないこと。でも体育の授業で…

 「アズミ・ハルコは行方不明」/山内マリコ

アズミ・ハルコは行方不明作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る一昨年読んだ『ここは退屈迎えにきて』(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20121011/p1)がもうずっと忘れないだろう…

 忘れられたワルツ/絲山秋子

忘れられたワルツ作者: 絲山秋子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/04/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る毎日は続いているのに、何かが少しずつ決定的に違っている世界を描いたお話が多く、直接触れている作品はたぶん1作だけだけど、東日本…

 「AKB商法とは何だったのか」

ニーツオルグ*1のさやわかさんの本だから、というのはもちろんあるんだけど、それだけでなく、AKBを好きになってから自分の中にあったもやもやを、違う視点で見てみたいなと思って読みました。 この本はAKB商法を批判/肯定するための本ではないし、AKBに限…

 「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」/村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー クリック: 3,074回この商品を含むブログ (342件) を見る今回の「多崎つくる」の物語は、羊3部作をはじめとする「僕」の物語と構…

 「夏への扉」/ロバート・A・ハインライン

いつか夏休みに読もう、と思って先送りにして何年も経ってしまった本。それだけに自分の頭の中に「こんな話かな」というイメージがかなり出来上がっていたのですが、いざ読み出してみると私の想像していたものとは全く違い(当たり前)、想像の何倍も面白か…

 ならずものがやってくる

タイトルがいいなと思ったのと、いつだったか美容院で渡された雑誌に載っていた書評を読んで気になって買った本。タイトルからついヤァ!ヤァ!ヤァ! とならず者が群れをなしてやってくる感じの話を想像していたのですが全然違いました。ならずものがやってく…

 「なんらかの事情」/岸本佐知子

なんらかの事情作者: 岸本佐知子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 30回この商品を含むブログ (36件) を見るすっと気持ちよくイメージが腑に落ちるところからお話が始まり、やがてあらぬ方向に転がって、そこに…

 「残り全部バケーション」/伊坂幸太郎

なんといってもタイトルがいいよねと思います。残り全部バケーション。 残り全部バケーション、って感覚は、例えば以前テレビで解剖学の先生が話していた「人間がもし野生動物だったら30才くらいが寿命である、しかし人はただ生物としていきるのではないのだ…

 プシュケの涙

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)作者: 柴村仁,也出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2010/02/25メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 89回この商品を含むブログ (37件) を見る貸してもらって読みました。全3冊のシリーズで、1つの話、1…

 〈小市民〉シリーズ春夏秋/米澤穂信

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2004/12/18メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 414回この商品を含むブログ (662件) を見るアニメ版の『氷菓』がとても面白かったという話をしていたらおすすめし…

 「ここは退屈迎えにきて」/山内マリコ

ここは退屈迎えに来て作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/08/24メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 100回この商品を含むブログ (68件) を見る“女の子”が主人公の、少しずつ繋がった連作短編集。どの話も、自分の身近にいる誰かや友だち…

 「そして夜は甦る」/原寮

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))作者: 原りょう出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1995/04メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 31回この商品を含むブログ (66件) を見るおすすめしていただいて読みました。 原寮さんの小説は「私が殺した少女」を読ん…

 「ブルックリン・フォリーズ」/ポール・オースター

ひとりで余生を過ごそうとブルックリンに越してきた主人公、ネイサンと彼が偶然に再会した甥のトム、そして彼らを取り巻く人々の物語。 登場人物の過去と現在の“愚行”を散りばめながら、ネイサンの目を通した日々が細かに語られていく様子は、インターネット…

 「天地明察」/冲方丁

とっても面白かったです。とても簡潔な語り口ながら、読みながらなんどもぐっときて、涙ぐんで深呼吸したり、笑ったりした。読み終えて、ああ楽しかったなって満足感でいっぱいになりました。天地明察(上) (角川文庫)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 角川書店(…

 「f植物園の巣穴」/梨木香歩

なんとなく、植物の多くでてくる本が読みたいと思い、それなら梨木香歩さんの本だろうと書店に行くと、タイミングよく文庫の新刊でこの「f植物園の巣穴」が並んでいて手にとった。 植物園に勤める主人公が、歯の痛みに耐えかねて風変わりな歯科医院を訪れる…

 「ミュージック・ブレス・ユー!!」/津村記久子

ミュージック・ブレス・ユー!! (角川文庫)作者: 津村 記久子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/06/23メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (11件) を見る遠出をする用があった朝、思いついて改札…

 ドラゴン・タトゥーの女

監督:デヴィッド・フィンチャー 原作:スティーグ・ラーソン 映画公開前に原作を読み、とても気に入ったので風邪気味にもかかわらず公開日に見に行ってしまいました。面白かった。見終わってから158分もあったというのを知ったのですが、全然長いと感じなか…

 猿の一休み

「モンキービジネス」の最終号刊行イベントに行ってきました。 出演は、小野正嗣さん、岸本佐知子さん、川上弘美さん、小澤實さん、古川日出男さん、そして「モンキービジネス」の責任編集者である柴田元幸さんでした。 「モンキービジネス」は、たいへん惹…

 「どこから行っても遠い町」/川上弘美

どこから行っても遠い町作者: 川上弘美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 18回この商品を含むブログ (74件) を見るどこかにある町を舞台に描かれる連作短篇集。 健康診断の待ち時間に読みはじめたのだけど、1話終…

 絵本の中の記憶

最近、友だちの子どもに絵本をプレゼントするという機会がいくつかあったので、どんな本が良いかを考えながら、自分が子ども時代に読んだ絵本を読み返してみました。どれも本当に面白くて、ストーリーはだいたい覚えているのに、楽しくてつい夢中になって読…

 紫色のクオリア/うえお久光

一時期あちこちでタイトルを見かけ、そこで比較に挙げられていた作品が好きだったので気になっていたのをやっと読みました。たぶん表紙とタイトルだけではまったく想像もしないような内容でした。 もともとは3つの連作短編(2編+エピローグ)として発表さ…

 「あなたのための物語」/長谷敏司

あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)作者: 長谷敏司出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/06/10メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 342回この商品を含むブログ (29件) を見るとてもよかったです。SFというジャンルの、とくにイーガンの作品などは「考えて…

 「ざらざら」/川上弘美

少し前に読んでとても気に入った「パスタマシーンの幽霊」*1と同じく(たぶんそれより前に)雑誌「クウネル」に掲載された掌編を中心とした作品集。「パスタマシーンの幽霊」よりは、じゃっかん、テーマが偏っているし、ひとつひとつのお話も短いです。鞄の…

 「PK」/伊坂幸太郎(群像201105号)

twitterでモーニング編集部の方が感想を書かれているのを読んで*1、買って読みました。読んでよかった。群像 2011年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/04/07メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 53回この商品を含むブログ (17件) を見る伊坂…

 「オー!ファーザー」/伊坂幸太郎

オー!ファーザー作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/03メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 124回この商品を含むブログ (165件) を見る読んでいる間、なんだか昔の伊坂幸太郎作品のようだなという印象があって、あとがきを読んで納得した…

 「ハーモニー」/伊藤計劃

新しい本を読みはじめるときは、特に意識はしていなくても、もしかしたらこれは自分にとって重要な1冊になるかもしれない、という期待を持っている気がする。 とても面白いということと、重要というのは少し違っていて、重要のほうはなんというか、腑に落ち…

 ゼロ年代SF傑作選

ゼロ年代SF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA エ 2-1) (ハヤカワ文庫JA)作者: S-Fマガジン編集部,秋山瑞人,冲方丁,海猫沢めろん,桜坂洋,新城カズマ,西島大介,長谷敏司,元長柾木出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 364回…

 「オラクル・ナイト」/ポール・オースター

ポール・オースターの邦訳新刊「オラクル・ナイト」を読み終わった。雰囲気としては、NY3部作を読んでいたときの印象に近い、とても好みの物語だったのだけど、それだけでなく、複数の物語が絡み合う描き方がとても面白い読書でした。オラクル・ナイト作者: …

 「マルドゥック・ヴェロシティ」/冲方 丁

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/11/08メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (298件) を見る先日読んだ「マルドゥック・スクランブル」(id:ichinics:20100913:…

 「いちばんここに似合う人」/ミランダ・ジュライ

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)作者: ミランダ・ジュライ,岸本佐知子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/08/31メディア: ハードカバー購入: 16人 クリック: 533回この商品を含むブログ (98件) を見る映画「君とボクの虹色の世界」(id:i…

 「マルドゥック・スクランブル」/冲方丁

冲方丁さんの小説を読むのははじめてなんだけど、これがとっても面白かった! マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/05メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 336回この…

 「猫物語〈黒〉」/西尾維新

猫物語 (黒) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 29人 クリック: 430回この商品を含むブログ (195件) を見る「化物語」シリーズの新刊! この「猫物語〈黒〉」は、これまでの…

 「天使の囀り」/貴志祐介

天使の囀り (角川ホラー文庫)作者: 貴志祐介,酒井和男出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2000/12/08メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 163回この商品を含むブログ (93件) を見る貴志祐介さんの本を読んでみたいなーと思い、お…

 「獣の樹」/舞城王太郎

久々のノベルスだ、と思って手にとって裏表紙みたら「西暁町」とあったので迷わず買って、そうだよ西暁町の話が読みたかったんだよーとか思いながらわくわくして読んで読み終わって、楽しかったです。獣の樹 (講談社ノベルス)作者: 舞城王太郎出版社/メーカ…

 四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2008/03/25メディア: 文庫購入: 71人 クリック: 983回この商品を含むブログ (560件) を見るアニメがとても面白かったので気になって原作を読んだら、アニメを見終わったばかりと…

 「あなたの人生の物語」/テッド・チャン

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)作者: テッド・チャン,浅倉久志・他出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/09/30メディア: 文庫購入: 40人 クリック: 509回この商品を含むブログ (390件) を見るタイトルにそそられて買った短編集。難しくて理解しきれ…

 夜想曲集/カズオ・イシグロ

夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/06/10メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 109回この商品を含むブログ (79件) を見る音楽をテーマにした短編集。 カズオ・イシグロの小説を…

 「告白」/湊かなえ

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)作者: 湊かなえ出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2010/04/08メディア: 文庫購入: 31人 クリック: 1,085回この商品を含むブログ (480件) を見る映画版の評判が良いので気になって、とりあえず原作の文庫を買ってみたんだけ…

 「パスタマシーンの幽霊」/川上弘美

ちょうど手持ちの本を読み終わったので、何かないかなと思って書店に寄った。ほんとうは別の文庫本を買うつもりだったのだけど、新刊の棚に平積みになっていたこれを手にとって、もう一度ぐるっと店内をまわってから、やっぱり買うことにした。パスタマシー…

 「シュレディンガーのチョコパフェ」/山本弘

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)作者: 山本弘出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/01メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 96回この商品を含むブログ (96件) を見る友だちに貸してもらって読みました。面白かった。 『まだ見ぬ冬の悲しみ…

 「1Q84」Book3/村上春樹

1Q84 BOOK 3作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/04/16メディア: ハードカバー購入: 70人 クリック: 2,125回この商品を含むブログ (655件) を見る読み終えたときに、まだ続きあるんだな、と思ったのだけど、上中下、と書いてあるところもある…

 「新釈 走れメロス」/森見登美彦

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2009/10/15メディア: 文庫購入: 54人 クリック: 366回この商品を含むブログ (160件) を見る先日「四畳半神話大系」アニメ化のことを書いて(id:ichinics:201002…

 好きなタイトル

本のタイトルや帯文を読んで、そこに書かれているのがどんな物語なのか想像するのは楽しい。 「百年の孤独」や「これから話す物語」、「何を見ても何かを思いだす」とか「どうして僕はこんなところに」、それから「たったひとつの冴えたやりかた」などは、完…

 「ビッチマグネット」/舞城王太郎

ビッチマグネット作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/27メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 388回この商品を含むブログ (115件) を見る読んでる間、舞城王太郎だということをしばしば忘れて読んでいた。ってことに特に深い意味はない…