日々雑記

 自動的に泣く

わりと涙もろいタイプなので、映画を見たり、音楽を聞いたり、本や漫画を読んで泣く、ということはよくある。泣きたいわけじゃないし、むしろ「泣ける!」という宣伝文句のものにはできるだけ近付かないようにしている。(だからそういうものがほんとうに/…

 ギュンター・グラスの告白

Bさんのところで、ギュンター・グラスの告白についてのニュースを知ったので(http://anotherorphan.com/2006/08/post_360.html)、本棚で埃をかぶっていた彼の詩集を取り出した。詩を読むなんて、ずいぶん久しぶりだ。 さて、ここでR・A・シュレーダー氏に…

 STUDIO VOICE 9月号「現在進行形コミックガイド」

そういえば前に買ったスタジオボイスも漫画特集「最終コミックガイド2005」だ。michiakiさんとこでおすすめされた(?)ので買ってきました。ありがとうございます。STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: INFASパブリケー…

 私がその質問にこだわる理由はたぶんこれ

ちょっと前に読んだ「マンガは哲学する」(ISBN:4062568721)で、ちょっと興味深い話があった。永井均さんが通っていたキリスト教系の幼稚園での出来事で、永井さんがやったいたずらのぬれぎぬを、なんと真犯人を知っている永井さん以外の全ての生徒から、着…

 意味がなくって悲しい

それにどんな意味があるのか、と問われることは何だか悲しい。特に、その「意味」の意味が「価値」である場合にそう感じることが多い。 たとえば、ピアノを習っている私が発表会に向けて練習をしているところに「ピアノなんて習って、何の意味があるの?」と…

 芸術って何だろう

若冲展を見ながら、妹が「昔には画家として活躍した人が多かったみたいだけど、今はあんまり画家っていないよね」というような意味のことを言っていて、私は何かちょっとひっかりつつも「確かに絵そのものを売買するってのは少なくなったのかなぁ」というよ…

 三島由紀夫のインタビュー映像をみて

「思想とかは共感しないですけどね、でもね、そこまでして何かを伝えようとした、という事実が衝撃なんですよ、俺には。しかも伝わらなかったんだから、衝撃の二乗ですよ。別に俺は、あの事件に詳しいわけじゃないですけどね、きっと、後で、利口ぶった学者…

 自問自答

言葉にならない感情を、考えることをしたいと思う。 それは問いを発することでもあり、問いに答えることでもあり、つまり、ほとんどの場合が自問自答だ。私はこう思う。なんでだろう。その繰り返しなんじゃないのか。どこかからやってきた「答え」があったら…

 だめに決まっているじゃないか、と答えることの危うさ

世の中には、議論することそのものが、無意味でむなしい問題というものがある。それはたとえば、人には自殺をする権利があるのか、また、人を殺すのはなぜわるいのか、などであり、わたしはこうした議論を真剣におこなっている者を見るたびに、なにやら憂鬱…

 ゲームとしての私

人生を何かに喩えるとき、「ゲーム」という比喩はわりと一般的なように思うけれど、そこに暗喩されているものは共通していないのではないかと思う。例えばそれを「遊び/フィクション」ととらえるのか「ルール」ととらえるかで、意味合いは大きく異なるだろ…

 「FIGHT SONG」の我々と肯定への抵抗?

相変わらずメタルについてだらだらと考えている。今まで知らなさ過ぎたので、とんちんかんなことをいい続けてるような気もしつつ、今までジャケットだけしか知らなかったレコードたちに性格付けしていくのは楽しいし、それがかっこいいなら聞きたいなーとい…

 ブログの閉鎖

ここ最近、ブログの閉鎖について言及されているところをいくつか読んで、前に書いた「終わり方」という文のことを思い出した。あのときいただいたmichiakiさんのアドバイス(?)を、今もわりと意識してたりするんですが、そういうとこも含め、今の自分の何…

 『鏡の法則』は法則じゃないような気がする

あちこちで話題になってる『鏡の法則』というのをブクマで知って読みました。[こちら] 言及されているブログをいくつか見てみると、どうやらこの本らしいんだけど引用なのかどうかがよくわからない(いいのか?)。 → で、上記ブログのほうに掲載されてる…

 べきだ、は、ずるい?

ルールは守るべきだ、というのは、守らないのはずるい、ということなんだろうか。 善悪の二種類に分けると混乱することも*1、ずるい、ずるくない、で考えると、場の協調圧力(?)みたいなものがわかりやすいかもしれない。 そして時に、守らなかった理由(…

 パーソン論から、私が「あってしまっている」ということまで

いつも愛読しているid:kaienさんのところで続いている「something orange:妊娠・中絶は殺人か」という連載を興味深く読んでいます。その1のエントリから、その後いろいろ派生して、なんだかちょっと偏った話題になってしまってるようなのだけど、個人的に…

 目指すべき世界とはどんなものなのか

「ココヴォコ図書館:ホモ・エコノミクス」というBさんのエントリを読んでちょっと思ったことを書いてみます。以下強調と引用はすべてこのエントリからのものです。 まず、「僕のいうことは基本的にはすべて僕だけにとって妥当な見解です」という前置きの文…

 その言葉のチカラってのはどんなものなのか

「言葉に救われた。 言葉に背中を押された。言葉に涙を流した。言葉は人を動かす。私たちは信じている、言葉のチカラを。ジャーナリスト宣言。朝日新聞」 今回のCMは、前回と同じく「言葉のチカラ」をテーマにしていますが、「言葉には人を救ったり、勇気…

 恋愛は面倒

「『恋』は瞬発力。相手の愛情、時間、興味、肉体、その他あらゆるものを自分に向けたい、手に入れたいというパワフルな欲望。『愛』は持続力。相手に何かしてあげたい、優しくしたい、助けたい、守りたいというパワフルな感傷。相反するがごとき互いの『恋…

 すべての物語はあなたのためにある

人力検索はてなで気になってた質問。 小説が好きな方、嫌いな方。 私は基本的に小説というものを読みません。 理由は(1)表現が回りくどい。(2)ある程度読んでつまらないと思った作品だと、それまでの時間が無駄に感じる(3)立ち読みして面白そうなの…

 罪悪感なんて役に立たない

罪悪感の話。またか、という感じですけど、もうちょっと。 11日の文(id:ichinics:20060611:p3)へいただいた反応を読んでまず気付いたのは、私はたぶんmichiakiさんの書かれていた『「自分は世界の悲惨を知りつつ何もしない」と「自分は良い人間」は両立し…

 罪悪感について/未整理

先日の罪悪感についての話に、michiakiさんから応えていただいた文章があって、その後すぐ書きかけた文があったのだけど、その後のmichiakiさんとこの流れを読んでたら、あーなんかたぶん論が緩いのは私だよね…とかビビって間があいてしまいました。でも懲り…

 活字メディアとwebと文章

はてなブックマークで知った記事。 出版業界の原稿料相場については、ご存知ない方が多いと思いますので、ちょっと説明しておきましょう。この業界では原稿料を400字詰め原稿用紙一枚の価格で計算します。 だいたい、400字詰め原稿用紙一枚あたりの価格で500…

 晒しても好き?

好きだってすごく言って欲しいんですけど、いざそう言われると信じられなくて「なんで!?」「どこが!?」と反発してしまう。だってあなたは自分の何を知っているというのか? ほんとうの自分を知ったら離れていってしまうのではないのか? というような怖れ…

 矛盾だらけ

昨日書いた文(id:ichinics:20060605:p1)はちょっと乱暴だったと思うので、もう少し付け足す。 あそこに書いたことは私の中でよく問われることであって、それなのに結局私はいつも楽な方に逃げていてそれを改めようともしない、というのは前にも書いたこと…

 世界は全て裏表?

こういうのうまく言い表す言葉が既にあるんだろうけど知らないのであらすじから書くと、例えば、人物Aが困っている時に、手を差し伸べるBと見て見ぬ振りをするCがいるとする。すると、BとCに対する評価は、それぞれ背反する側面を持ってしまう。Bの場合は、…

 死刑制度は犯罪抑止力があるかどうかでなくて

「死刑制度は犯罪抑止力」があるかどうか、ということについてのこちら(「ダメなものはダメ」日記:ダメなもの「死刑は犯罪を抑止しない」)の記事を読みました。個人的には死刑制度は廃止した方が良い、と思っていますが、上記エントリでの主張が『なぜ死…

 自殺して欲しくない、けど、権利はある、と思う

昨年1年間に全国で自殺した人は3万2552人で、前年よりも227人増え、8年連続で3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめでわかった。 自殺、8年連続3万人超 経済が動機7756人 人が数になってしまうっていうのは、こういうことなんだなと思う…

 アイドル

誰しも青年期に独自の「神」(アイドル)を持つ。ニーチェの場合ショーペンハウアーとワーグナーがそれであった。『ニーチェ入門』p28 誰しも、というからには私にもアイドルというか神はいたはずなんだろうけど、その感覚がよくわからない。ここら辺が、最…

 世の中が不得意

竹田青嗣さんの『ニーチェ入門』を読んでいます。とても読みやすい本で、あっという間に一章読み終えてしまったんだけど、若干混乱するとこがあるので、雑感的なものを勢いでメモ。 → まず、永井均さんの『これがニーチェだ』と比べると(なぜ比べるのかは昨…

 ラベルとしての言葉とそこに満たされてるもの

言葉について考えている。 まず、言葉はラベルに過ぎない、ということを忘れないように。文法については保留。文体はリズム。でもここではまず、ラベルとしての「言葉」について。 → 言葉はラベルに過ぎない。でもそのラベルを貼った瓶の中に、何が満たされ…